マイホームを計画している方の中には共働きの方も多いのではないでしょうか?
共働き世帯の方が家の購入を考える際、1番に考えることといったら予算だと思います。
夫婦2人が正社員で働いている時にマイホームを購入した場合、ライフイベントなどでどちらかが片働きになったら住宅ローンの返済がとても不安ですよね。
そもそも予算の決め方が全く分からないといった方もいるでしょうし、注意点について知っておきたい方もいるのかもしれません。
そこで今回の記事では
・マイホームにかかる費用の平均
・共働き世帯のマイホーム購入での予算の決め方
・共働き世帯の平均年収と中央値
・共働き世帯が予算決めで注意する点
・共働きが家を買う際の節税について
・トラブル防止!共働きのマイホーム購入の落とし穴
について調査していきます。
マイホームにかかる費用の平均
マイホームを建てる時の費用の平均は4606万円となっているようです。
しかしこの場合は土地代を含めた費用であり、土地代を含めない場合の費用の平均額は3055万円と言われています。
土地代が高い場所にマイホームを建てる計画をしている方はもう少し費用は高くなると思われますし、土地代が安い場所を予定している方は費用は安くなるでしょう。
あくまでもこの4606万円という数字は平均値となっているので目安にしてくださいね。
ちなみに、マイホームを建てる時は自己資金として頭金を支払う場合も多いのでそちらも踏まえた上で費用の計算をしてみてください。
共働き世帯のマイホーム購入での予算の決め方
マイホーム購入にかかる費用は住宅ローンと頭金だけでなく物件1件に対して4%〜10%前後の諸費用がかかってきます。
諸費用を予算に入れるのは忘れがちなのでまずは諸費用とは何なのかについて紹介していきますね。
登記費用 | 登録免許税や登記手続きを司法書士に依頼した際に支払うもの |
---|---|
印紙税 | 契約書や領収書の文書作成の際に収入印紙を貼付して納める |
仲介手数料 | マイホーム購入の際に仲介会社を通した場合に納める手数料 |
保証料 | 住宅ローンの借り入れの際に支払う手数料 |
不動産所得税 | 不動産購入の際に支払う税金のこと |
融資手数料 | 住宅ローンを融資する金融機関へ支払う手数料 |
損害保険料 | 地震保険や火災保険など |
ハウスメーカーや保険会社によっても額は違ってきますが諸費用の支払いがあることも忘れないようにしておきましょう。
頭金はいくらか
頭金は自己資金で支払うものなのですが、頭金を多く払えば必然的に住宅ローンの返済額は少なくなります。
平均的には総額から10%〜15%程度の頭金を準備して支払う方が多いようです。
どうしてもすぐにマイホームを建て始めたいという方は頭金なしでも住宅ローンを組むことはできるのですが、借入金が増えるため利息負担も増えてしまうというデメリットもありますよね。
頭金を用意できない方は利息が増えてしまうのを覚悟してマイホームを購入した方が良いですが、月々の返済のことを考えると総額から10%の頭金を用意しておいた方が良さそうです。
夫婦の貯蓄について話す機会もあると思うので現在持っている金額からいくらを頭金に充てられるのかを話しておくことをおすすめします。
ローンを返せる額で決める
マイホームの住宅ローンとなるとついついどれだけ借りることができるのかという点で見てしまいがちですが、住宅ローンは必ず返せる額で決めましょう。
年間の住宅ローンの返せる額というのは、総年収ではなく年間の手取り年収の25%程度にしておくと安心と言われていますね。
返済負担率は計算することができるので、
この式に当てはめて30%は絶対に超えないようにしましょう。
住宅ローンだけではなく教育ローンや車のローンなど他にもローンを組んでいる方は特に無理のない範囲で返せる額に設定しておきましょうね。
年間の住宅ローンの返せる額は手取り年収の25%にしておくと良いと紹介しましたが、実際にどのくらいの価格の物件が適正なのかを知る方法があります。
ということで、ここからは物件価格の算出計算法も紹介していきますが、年収500万円と仮定して例に出して計算していきますね。
500万円(年収)×25%(年収負担率)÷12ヶ月=104167円
104.167円(1ヶ月あたりの返済上限額)−20.000円(維持費)=84.167円(1ヶ月あたりのリアルな返済額)
ここでは修繕費等の維持費を20.000円として計算しました。
84.167円(1ヶ月あたりのリアルな返済額)÷25.958円(1.000万円あたりの月々の返済額)×1.000万円=
32.424.000円(妥当な借入額)
ただし、32.424.000円が絶対に借りられるというわけではないので注意しましょう。
(32.424.000円(妥当な借入額)÷1.000.000円(仮の自己資金と援助金))÷1.07(諸経費)=約3030万円(理想の物件価格)
年収500万円くらいの方は3000万円程度の物件を購入すると無理なく返済が行えそうですね。
ご自身の年収をこの1連の式に当てはめて理想の物件価格を算出してみましょう。
借り入れ比率を考慮する
先ほど返済負担率の計算方法をお伝えしたのですが、借り入れの限度額を知っておくことも必要です。
金融機関独自の額となるのでそれぞれなのですがフラット35では8000万円、財形住宅融資では4000万円と差は大きいイメージです。
共働きで年収が800万円だった場合は手取りは大体640万円なので、640万円×25%=160万円
年間の理想的な返済額は160万円で月々約13万円となりますね。
子供がいる方やこれから子供を望む場合は特にどの時期にお金がかかるかを考えながら月々の返済が無理なくできる額を考えましょう。
借り入れ額を確定して家を探す
年収を基準に借り入れ額を決定したら家を探し始めましょう。
気になるハウスメーカーのカタログを請求したりまずはホームページを見たりして理想に近いハウスメーカーを見つけるところから始められるといいですね。
その時、いくつかのハウスメーカーに予算を出してもらって必ず比較することをおすすめします。
おそらく始めに見たハウスメーカーが魅力に感じてしまうかもしれませんが、一旦家に持ち帰って落ち着いて夫婦で話しましょう。
ハウスメーカーによっても得意なジャンルは全然違ってくるので予算と相談しながら理想に近い家に近付けていけたらいいですね!
共働き世帯の平均年収と中央値
共働き世帯の方がマイホームを購入する際に指標とする1つに平均年収があると思うのですが、ここでは共働き世帯の平均年収と中間の数値を知りたい場合に用いられる中央値についても紹介していきます。
まず、平均値と中央値の違いですが
平均値は全部の世帯の所得を合わせて割った時の値
中央値は全部の世帯の所得を順番に並べた時にちょうど真ん中に来る値
となっています。
高収入世帯が多い場合は平均値は上がりますが、中央値は収入が少ない方から多い方まで並べてちょうど真ん中の数値となるので平均値よりはやや低く数値が出るようです。
実際に共働き世帯の平均年収と中央値について見ていきましょう。
総務省が発表している家計調査年報を参考にすると日本の共働き世帯の平均年収は約8312000円です。
一方で共働き世帯の収入の中央値は約600万〜700万前後となっているようです。
これは、総務省統計局の調査で明らかになっていますね。
東京都23区だけで見ると中央値も高くなるようなのですが、全国平均となると平均年収より中央値がやや低く出ています。
共働き世帯が予算決めで注意する点
共働き世帯ならではの予算決めでの注意点もあるので、ここではいくつか紹介していきます。
年収で決めない
先ほどもお伝えしましたが、予算を決める時に妻と夫の総年収で考えてはいけません。
社保等を除く可処分所得、いわゆる手取りの年収で計算することが大切です。
間違えて総年収で計算してしまうと月々の返済がとても苦しくなってしまいます。
返済は住宅ローンだけでなく、修繕費の積み立てや固定資産税の支払い、維持費など何かとかかってきますし急な病気や怪我で一気にお金がかかる時が来るかもしれません。
また、子供の教育費や入学卒業などのライフイベントでお金がかかる年は特に無理ない返済額に設定しておかないと破産することにもなりかねませんよね。
予算を考える時には必ず年収だけで決めないようにしましょうね。
収入ダウンを考慮する
共働き世帯によくあることなのですが、女性は出産や育児などで一時的にでも世帯の収入がダウンする時期が来るかもしれません。
それだけでなく、急な転職は働き方改革にとって年収が下がってしまう可能性もありますよね。
子供が大きくなって働こうと思っても時短勤務やパートなど正社員の時のような働き方はできない可能性もあるでしょう。
出産などでは一時金や手当が貰えるかもしれませんが、マイホーム購入時の金額には及ばず住宅ローンの月々の返済ができなくなってしまうということもあるかもしれません。
どちらかが働けなくなって共働きから片働きになったとしても無理なく返済できる額を設定することが大切だと言えます。
頭金と貯蓄のバランス
自己資金と言われる頭金ですが、持っている貯蓄をすべて頭金に充ててしまうことは絶対に避けましょう。
返済額を少しでも減らすために頭金を多く支払うというのも良い方法なのですが、貯蓄の多くを頭金に充ててしまうと生活が困難になってしまう可能性もあります。
目安として6ヶ月から1年分くらいの生活費は残しておきましょうね。
共働き夫婦で子供がいない場合の1ヶ月の平均生活費は32万円程度だと言われていますが、子供がいる家庭は年齢によってもかかる金額が変わってきます。
小さいうちはそこまで生活費が跳ね上がるイメージはないのですが、中学生や高校生となってくると塾や学校での支出も多くなってくると思われます。
生活費は多めに残るようにある程度余裕を持って頭金の金額は決めましょうね。
今後の働き方なども話し合う
予算を決める時に夫婦でしっかりと働き方は話し合っておくべきです。
特に女性は妊娠出産があると仮定して、正社員でなくパートや時短勤務になった場合のことも考えておきましょう。
また、育休を経て子供が保育園に入れなかった場合は退職になってしまう可能性もあります。
片働きとなってしまった時に月々の住宅ローンの返済額が多すぎると家計が苦しくなってしまうため、確実に余裕を持って返せる額を予算として考えていきましょうね。
いざという時のことも考える
共働きでマイホームを夫婦名義で購入しても「新築離婚」という言葉があるように建ててすぐ、または建てている最中に離婚となる場合も稀ではないようです。
夢だったマイホームが原因で離婚ということもあるようなので、価値観は擦り合わせておく必要もあります。
また、住宅ローンの返済が原因で離婚となる場合は月々の返済に追われて心にも余裕がなくなるという理由も1つあるようですね。
支払い額を多めに設定したために夫婦仲が悪くなり離婚騒動になってしまったということを避けるためにも、予算面はしっかりと夫婦で話し合っておいてくださいね。
また、やむを得ない理由で売却することになってしまった場合には住宅ローンの返済だけでなく手数料や仲介料、印紙税など諸費用が上乗せされます。
災害などで売却することになってしまった場合にも住み替えで引っ越しや次の新居の家賃やローンがかかってくるので予算を決める際には万が一のことも考えておきましょう。
共働きが家を買う際の節税について
共働き世帯が家を買う際のメリットの1番は節税ではないでしょうか?
夫婦で家を共有名義にすると夫と妻それぞれの収入で住宅ローンの控除を受けることができるようになっています。
住宅ローン控除とは家を建てて住宅ローン開始から10年間、所得税と住民税が年末の残高から毎年1%控除される仕組みです。
夫婦共有名義だとそれぞれ控除されるので節税効果が高くなりますよね。
また、親や祖父母などから一部の資金を援助してもらうパターンも増えています。
この場合、直系の親族であれば特例で一定額まで非課税度になる制度(住宅取得等資金の贈与税の非課税措置)が適用されます。
資金援助がされる年の1月1日の時点で18歳以上であれば住宅取得等資金の贈与税の非課税措置を受けることができ、過去に1度もこの制度を受けたことがない方が適用となるようですね。
非課税となる限度額は省エネ等の家は1.000万円まで、それ以外の家は500万円が限度額となります。
参考までに受贈者は以下のすべての要件を満たさないと非課税とはなりません。
- 贈与を受ける方は贈与者の直系尊属であること(養子縁組している場合は該当)
- 贈与される年の1月1日に18歳以上であること
- 贈与を受ける年の合計所得額が2.000万円以下であること(建てる家の床面積が40㎡〜50㎡未満なら1.000万円以下)
- 平成21年から令和3年までに贈与税の申告で住宅取得等資金の非課税の適用歴がないこと
- 配偶者や親族から住宅用の家屋の取得をしていないこと(請負契約等で新築や増築をしていないこと)
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等賃金の全額で家屋の新築をすること
- 贈与を受ける時に日本国内に籍があること
住宅取得等資金の贈与税の非課税措置が受けられる対象者や要件は細かく定められているため、詳細は国税庁の公式ホームページをチェックしてみてくださいね。
トラブル防止!共働きのマイホーム購入の落とし穴
夫婦名義の場合、税金がかかることもある
この場合は贈与税がかかってしまう可能性が非常に高くなってしまいますよね。
共働きとなると先ほどお伝えしたとおり夫婦名義でマイホームを建てる方も多いと思うので、贈与税がかからないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
夫の持分と妻の持分が資金の負担割合と一致している場合は贈与税がかかりません。
例えば3000万円の家を購入する場合、夫が頭金含めて1.800万円(6/10)で妻が頭金含めて1.200万円(4/10)となれば持分と負担割合が一致しているため贈与税はかからないということになりますね。
贈与税は一律20%となっており、課税対象は特別控除額を差し引いた額から20%となるので多額の贈与税を支払うことにならないように夫婦で共同名義にする予定の方は注意してくださいね。
まとめ
今回の記事では、「共働きのマイホーム購入で注意したい予算の決め方を解説」を紹介しました。
贈与税や節税の仕組みを理解していれば余分な額の支払いをせずにマイホームを購入することもできるので、必ず自分が非課税の対象となっているかどうかは確認しておきましょう。
また、予算の決め方や注意点については万が一の出来事やいざという時にどうするかという未来のことも見越して考えることが大事です。
いくつかポイントを押さえて紹介したので参考にしてみてくださいね。